簡便の影に

このコンピュータ全盛時代に78分法という簡便法が、未だに使われているとは驚きである。コンピュータが創った計算書(報告書)だと何故か説得力があった時代もあるのに、現場レベルでもコンピュータが多く使われているのに、何かメリットがあるのだろか?。

公開情報だけで計算してみると、計72回払いで6回支払ったら、
670,000 \frac{\Bigsum_{n=1}^{(72-6)}~n}{\Bigsum_{n=1}^{72}~n} = 563,687
が契約上の支払総額から返還される。よって、2,086,313円(= 1,980,000+670,000−563,687)を支払えばよいことになる。

ここで、通常の元利均等方式での返済について計算してみる。表面金利が解らないが、元金1,980,000円に対し72回払いで670,000円の利息が付くことより、金利は10.124%、月支払額36,805円とする。これより計算すると2,077,655円が支払えばよいことになる。

78分法では2,086,313円、元利均等方式では2,077,655円となり、78分法の方が8,658円程の誤差が生じる。しかし簡便法としては充分な精度と思われ、この程度の誤差ならば勘弁してほしいというのが、この方式を考案した人の本音であろう。

ことの本質は78分法にあるのではなく、余分に支払う 183,175円 (= 2,040,000+36,805×6−2,077,655)の名目にある。一括返済を行うことでクレジットカード会社が被る被害(将来の貸付金利収入の喪失)に対する補償だろうが、一括返済事務手数料無料の自動車ローンもある中、その妥当な額は・・・不透明である。

http://www.hatena.ne.jp/1073751669