途中『失楽園』途中

 

 初出は日経新聞、朝刊の小説欄、世の成功者達が半生を振り返る「私の履歴書」も同じ最終面に掲載されている。当時、この様な不倫小説をいわゆる一流紙が朝から読ますとは中々なものだなと思った記憶がある。調べてみると、1995年9月からの連載で、阪神淡路大震災地下鉄サリン事件などの重大事件が続発し、バブル崩壊後に更なる追い打ちをかけた記憶に残る年である。

 このような世相の中、著者の渡辺氏は何を思って執筆したのだろうか。日本経済新聞社は何に期待して掲載させたのだろうか。「朝から厭なものを見た!」、「衆人の前で読むものではない」、「三文小説!」、「家に持ち帰れない」などの声が続発する中、天下の日経新聞が載せたエロ小説!、怖いもの見たさなのか、かなり話題になり、単行本の出版や映画化がなされ、爆発的なヒット作品になったようである。

 

【あらすじのようなもの】

 主人公の久木はリストラされた中年男性で調査部門に飛ばされ、そのまま定年を待つ身である。閑職ではあるが調査名目で外出しやすい職場環境は、ある意味うってつけであり、世のリストラ組(予備軍)の関心を引いたのである。リストラの先に待つのが甘美で淫靡な世界とならば、毎日朝のお楽しみとなる。

 カルチャーセンターは、暇を持て余す大人(リストラ組・定年組)の定番な居場所であり、そこで凛子と出会ってしまう。凛子の旦那は医者であり、何不自由ない生活が保障されていはいたが、・・・不能者であり家庭は冷え切っていた。会社から見捨てられた男と家庭から見放された女とが出会い、というありふれた物語なのだろうか。情熱的な描写や粘っこい所業の果てに、何故にくっ付く中年。

 

 

 

 

【理由】かくあるべきかな の理由付け

 

 

 

 

 

【視点】反対面からの感想

 

 

 

 

 

 

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Wikipediaより、書き換え対象

その数か月後の9月、鎌倉にあるホテルの一室から始まる。

 

それぞれ家庭を持つ二人だったが、密かに会うのを繰り返すうちに久木と凛子の愛は深まっていった。次の年の2月、凛子の希望で二人は中禅寺湖を臨む日光の旅館に1泊旅行をした。しかし、強力な低気圧による吹雪で足止めを食らい、やむなく旅館でもう1泊することになり、家族との関係はこの一件を機に悪化することとなる。

 

凛子は関係が冷え込んでもなお、夫・晴彦より夫婦でいることを求められ、(重要)ついには母・邦子から絶縁を言い渡される。(法事情事)久木は妻の文枝から離婚を提案されていたが、差出人不明の“身上書”が届いたことで、凛子との関係は現代書房にも知れ渡る。子会社への転籍を打診されたのをきっかけに、久木は現代書房を退職することを決意。その後二人は、それぞれの家族に離婚届を送った。移ろいゆく愛、そして老いへの恐怖の中で、久木と凛子は共に死ぬことを考えるようになる。

 

10月のある夜、久木と凛子は軽井沢にある凛子の別荘で、青酸カリを混ぜたシャトー・マルゴーを飲んで心中する。翌日午後、別荘の管理人が寝室で見たのは、死後硬直の最も強い状態で、結ばれたまま死亡して冷たくなっていた二人の姿だった。終章で死体検案調書と考察文が警察医によってまとめられ、物語は終わる。

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失楽園(本家の小説)】

主人公   =ルシファー(サタン)

仮初の楽園 =天界 ≡ 仕事(久木)

          ≡ 家庭(凛子)

解放    =追放

 

凛子←久木 =イブ←サタン

凛子は久木を選び。久木は凛子を選んだ。

イブはサタンに利用され、サタンはイブを利用した。

失楽園(本家)の最終局面は追放も

 

 

 

 

 

 

【最終】生(性)と 違う死と

結局は死で終わるが、破滅的なものでも破壊的なものでもない。理由なき、故の必然の死

 

(久木)社会性の喪失→家庭の喪失

    妻子の縁切り

社会性の喪失←家庭の喪失(凛子)

       旦那の抵抗(復讐)

義母の縁切り

    両喪失でThe END

サタンは自由人、非束縛者・・・家庭や社会に束縛されない。凛子と再婚するとそれは束縛水。