磁石と煙と実験と(1)

目的:
 本実験は、線香の煙と方位磁石との相互作用に関する実験を行うために、必要な知見を得ることを目的とする。


方法:
 線香の煙にフェライト磁石を近づけ、その挙動を目視観測する。また、対象として消しゴムを近づけたときの挙動と比較検討を行う。


結果並びに考察:
 線香の煙にフェライト磁石を接近させる事で、煙の状態に変化が生じた。また磁石を離すときには、煙が磁石側に引き寄せられるような挙動を示した。これは反磁性体の挙動とは思えず、また消しゴムにおいても同様な挙動を示した。

 これらの現象は、物体を煙を近づける又は遠ざける際に生ずる気流によって、煙が影響を受けたためとと推察される。そこで、逆に物体を固定し線香自体をゆっくりと動かすことで同様の効果を得られることとし、再度実験を行うことにする。

 フェライト磁石に煙を近づけても又遠ざけても、線香の煙に変化が認められなかった。また、消しゴムに関しても同様であった。

 当初の予測と大きく異なる結果が得られたが、これはフェライト磁石の磁束密度が低いため、煙を構成する微粒子に誘起される磁性が弱く、その挙動を目視観測するに至らなかったためと推察する。反磁性体としての性質を観測するには、ネオジム系やサマリウム系の磁束密度が高い磁石を使用する必要があると思われる。


結論:
 慎重に実験を進めた結果、線香の煙の挙動はフェライト磁石並びに消しゴムとも同じであり、全く影響を受けていないことが判った。尚、方位磁石の磁束密度は不明であり、今後調査を要する。


・・・あちゃぁ、前途多難を予感させる結果になってしもうたぞ。

http://www.hatena.ne.jp/iwashi?mode=detail&iid=4604