磁石と煙と反論と

 「なんかコメントが付いたみたいだ。この忙しいときになんだ」
 「なんだって、線香の煙が磁化して方位磁石の針が動いたのではないじゃと、なんか『ないでしょうか?』が多い文章だな」

 しかし、このまま捨て置くわけにはいかない。これは私の発明の根幹をなす部分なのだ。私とて無批判で磁化仮説を受け入れたのではないことを示さなくてはならない。コメントにはコメント、これでどうだ。

 線香の煙が方位磁石を狂わせる理由に関してなのですが、貴君の仮説を大変興味深く拝見いたしました。私も幾ばくかの仮定をたてましたが、最終的に磁化仮説の妥当性が高いことに至っております。

 まず、線香の煙は無秩序に運動していません。これは線香が燃えているため、そこから上昇気流が発生し煙は上方に運ばれていきます。まずは、この上方気流を疑いました。これが気流仮説です。この気流が方位磁石の針に当たれば、針が動かされる可能性は充分あります。しかし私が知っている方位磁石には、針がむき出しで使用されるものはありません。アウトドアで使うことや壊されないように、覆いで覆われていました。そのため、上方気流は遮断され、気流仮説は棄却されます。

 線香の煙粒子の運動エネルギーに関しては考えてませんでした。なかなかの着想だと思います。しかし、これも覆いにより遮断されてしまいますので、棄却します。もし、覆いがない裸の状態で実験されていたのでしたら、上昇気流や煙粒子の運動エネルギーも原因の可能性、というか主因であるかもしれません。

 次に考えたのは、人の筋肉の挙動です。これは確かではありませんが、筋肉仮説です。不自然に固定されたり強迫観念にとらわれると人の意志とは別に筋肉が痙攣すると聞いたことがあります。手品や妖しげな儀式のネタとも聞き及びます。線香の煙にかざす動作で筋肉が疲れて、ぷるぷる震えてそれで針が狂ったとも考えられます。これだと、直ぐに気づくと思い棄却されます。

 そんな中で、磁化仮説が残りました。磁石から発生する磁界に応じて煙は反対向きに磁化されますので、必ずしも無秩序に磁化される訳ではないと考えられます。では、「それが針を動かすのか?」というと、煙が動くなら針も動くのは自明です。ただし、その質量や動きやすさに応じて、その度合いが決まりまので、よほど精密に観察する必要があるかと思われます。一度、検証されては如何でしょうか?。

 ふぅ疲れた。これで大丈夫だ。しかし、本当に動くのかだろうか。なんか心配になってきた・・ぞ。

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