磁石と煙と発明と

 しめしめ、いい話を聞いた。炭素微粒子な煙は磁石に影響されるのか。なんと素晴らしい。これを利用して新発明だ。

 まずは人類の自制心のなさを露呈させる呪術的魔具「たばこ」対策を考えるとするか。何んでもタバコの魔力は直接吸い込むよりも、先から漂う煙に多く込められているそうじゃないか。これであやつらは、他人に攻撃しているのか。怖いものじゃな。でもこれからは大丈夫、ワシの発明があればなんて事はない。煙を閉じこめて見せようぞ。

 まずは、磁力線の壁を作る方法からだ。煙が磁界に反発して壁の中に閉じこめられるに違いない。どのように磁石を配置したら・・・うぅぅん、磁力線はN極とS極との間をラグビーボールの形のように走っているから、灰皿の上部に沿って配置すれば、灰皿下部の煙は磁力壁を乗り越えられない。あとの磁石の強さか、この強さによって開口部の径が決まるのだな。

 よしこれで・・・、早速実験と行きたいが、まずは特許特許。これを忘れたら何にもならない。早速特許調査をせねば、・・・何々、「磁石 煙」の特許は少しあるのか・・・。なんだこれは、「磁石付きの灰皿でどんな機械にも取り付けられます(特開平11-301332)」だと、機械が壊れる危険まで冒してタバコの魔力を広めようとしているのか、こいつは。これは急がねばならんぞ。

 私の発明が世界をすく・・・うぅぅぅ、何だこの特許は、けしからんではないか。なんでこんなのが、しかも権利化されてるし・・・。前途多難なれど・・・世界に希望はあるのか。

特許 平10-376275 喫煙リング

http://www.hatena.ne.jp/1068086393