丸っこい物は大切に

 税法上、法人のお金と個人のお金とは厳密に区分される。例え自分の会社だからといって正規の手続きを踏まずに勝手に使ったら、横領になる。逆の場合も問題になる。よい聞く例として、銀行での窓口業務終了後の勘定がある。1円でも勘定が合わなかったら・・・というあれである。その際に勘定が合うまで、計算したり探したりするが、ある行員が面倒故に自分の財布からこそっと足してしまった。その後、お金が出てきたからさぁ大変、今度は何故多いのかで問題になったそうである。

 この店長は経営者なのか。もし雇われ店長ならば経営資金の心配までする必要はなく、むしろ自分の給与を心配すべきである。そして彼は自分で確保したのであろう。あとはのらりくらりと返す意志さえ示しておけば、詐欺に問われることはない。

 経営者ならば、そして経営不安からの借金ならば、この金は会社の借金として処理した方が望ましい。個人的な債務ならば最後まで個人で責任を取らなければならないが、(無限会社を除く)会社法人ならば、会社の経営が行き詰まったら、有限責任の原則で、また個人の債務保証はされていないので、店長個人に法的には弁済義務は生じない。以前の返済金の出所が会社ならば、会社の借金となるのであろう。そして会社を潰してしまえば・・・。今なら1円で法人登記できるから・・・お手軽である。

 まず事実関係の整理をして、個人へならば公正証書の作成並びに保証人又は担保の確保、会社へならば手形の発行(悪徳金融屋の手口か^_^;;)又は不動産抵当権の設定若しくはテナント保証金の確保等に努めるべきであろう。しかし相手が本気の・・・ならば、有罪になっても貸し金は回収困難である。国家権力を用いても無から有は生じないのである。

 この質問を初めて見たとき、「確かこんな詐欺があったな」と感じた。それにしても「ぽんと150万円」とは、なんとも豪儀なお方である。

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