毒を食らわば・・・

 人は神々より自然界を支配する権利を与えられた。そう信ずる人々は、林を畑とし、森を炭とし、川をダムにし、山を鉱山にし、そして荒ぶる神々を自らの秩序に組み込こんだ。

 農業、それは世界最初の自然破壊、それは生物を改造する行為、人に優しかった技術。本当の自然から自分に都合の良い自然だけ取捨選択し、不都合な自然を容赦なく切り捨てる。

 生き物の改造は最初は簡単、ありもしない生殺与奪権を行使するだけ。自然の仕組みを利用して、生まれた命を選別するだけ。人の役に立つならば生きることを許し、そうでなければ・・・、全ては人の幸せのため。そう幸せのため。

 次のは少し難しい。命の地図を手に入れ、それを解読、いじくるだけ。そうすれば、自ら定めた仕組みで命を改造できる。いいとこ取りの生き物たち、汝は何のために生きるのか。いや生かされているのだ。

 ふと人は気づく。気づいてしまう。自らもまた生き物の一つであることを、命を持っていることを。全ては人の幸せのため。そう幸せのため・・、次に人は何をするだろう。

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