物の値段を決める人・・・お客様は神様としておきませう

物の価格を決定するのに原価というものが重要な因子になっているのは言うまでもない。しかしながら、これが最重要であったのは工業化時代の事であり、高度情報化社会においては原価積み上げ方式が唯一の方式ではない。以前、一品一品毎の正確な原価をリアルタイムに算出しようと様々な原価計算の手法を学習した事があるが、結局手間の割りに利点が少ないことがわかり、旧来の方法の精度を向上させるに留めた。

コーヒーチェーン店の商品で原価に占める割合が高いのは、土地代・建物代・人件費なのであろう。これらはすべて固定費であり、商品のリードタイムやその商品を飲むお客様の滞留時間によって割り振ることも可能ではあるが、実際にはそんなのは判らないというのが本当のところであろう。通常は売上高を基準に割り当てることになる。

とすれば、ここの違いは最終的に締めてみないと判らず、商品価格には直接反映しにくい。それどころか以前のマクドナルドの様に低価格路線に走り売上量が飛躍的に伸びれば、一商品当たりの固定費は劇的に小さくなり、利潤も極大化しがちである。つまりは、この種の商品の原価は固定費よりは変動費により多くの影響をうけるのである。

では、変動費の違いが・・・、確かに違うようである。その差+粗利益の上乗せ分が価格差なのかもしれないが・・・、個人商店の場合はこの理由が大きいのだと思うが、チェーン店というのがくせ者である。フランチャイズの最大の利点の一つに大量購買による原材料費の平準化・低価格化があるが、アイス・ホットとも同じような種類の豆を使うのならば、一商品当たりではそれほどの差異にならないのでは思われる。

余談であるが、紅茶を頼んだときテーパックで出されるとかなりショックを受けてしまうのは私だけだろうか。一般的なテーパック・・・隣のコンビニでいくらで売っていることか・・・。

現在サービス産業の商品価格は変動費をベースにそれ以上の価格で、お客様が払っても良いと考える価格&推定売上量から、利益が最大化するような値段に決定されることが多い。逆に言えば、始めに値段ありきで、そこから利益が出るような原価にしていくのである。

つまり、コーヒーと言えば一般的にホットになるので、わざわざ感のあるアイスコーヒーの方が付加価値がありそうだと認められており、故に値段をやや高くできるのである。


http://www.hatena.ne.jp/1118477707