自由度は4

ギブスの相律 f=c-p+2 によると、4成分・2相の自由度は、4になる。
つまり、温度・圧力・各成分組成比(b:t:x:1-b-t-x)の5因子の内、ある状態をもたらすのに4つの因子を変えることができる。混合による温度・圧力は変わらないと仮定すれば、各成分組成比(b,t,x)の2つによって、相の状態は決定される。

具体的には、水とベンゼンとを混合させた2成分・2相の場合、自由度は2となり、温度と圧力とが一定ならば、水相中のベンゼン濃度は一意に決まる。しかしながら、ベンゼントルエン・キシレン・水の4成分の場合、水相に存在するベンゼントルエン・キシレンの濃度は、b:t又はt:xに依存する。各成分比率が規定されていない状況では、水相中に存在する各成分濃度も不定にならざるを得ない。

つまり答えは「条件設定が曖昧なため不明」となる。

尚、水とベンゼンとの2成分系での水相中のベンゼン濃度よりも、4成分系での水相中のベンゼン濃度の方が小さくなることが予想される。これは、ベンゼントルエン・キシレンがほぼ同じような化合物であり、感覚的には、「2成分系での水相中のベンゼン濃度=4成分系での水相中のベンゼン類濃度」と思えるからである。


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