お手軽医療機器

 コンタクトが通販できるとは知らなかった。大丈夫なのだろうか。従来、コンタクトレンズは事前にいろいろ検査して、各人の裸眼視力や瞳のカーブに出来るだけ合わせて作られている。だから高い。使い捨てコンタクトレンズは事前にいろいろ大量生産して、それに合う人を選んでいる。だから安い。

 通販サイトを見てみると、商品名以外にはBCやPWしか指定できない。BCはレンズのカーブの度合いを、PWは多分レンズの度の強さを示しているようだ。確かにこれだけ指定すれば、取りあえずの役には立つのか。

 眼鏡を作るときの仰々しい視力測定を考えれば、なんと気楽なこと、でもそれでよいのか。医師のアドバイスなしに適正なレンズを選ばなくてはならない仕組みは、果たして有益なのか。手間なし売上upを狙えるメーカーにとっては有益なのかも知れないが、はなはだ危険である。

 それにしても気になったのは、使い捨てコンタクトレンズという名称を嬉々として使い続けているという点である。環境意識の高まりと共に、使い捨てカメラという名称は忌み嫌われて、レンズ付きフィルムを定着させようとした企業もあるのに、問題意識は希薄である。あぁ、お手軽文明よ。汝はどこへ行く。

http://www.hatena.ne.jp/1071796239