異なる未来へ

 それでは判決を言い渡す。裁判官が厳かに宣言する。その判決は我々の全面勝訴であった。いやはずだったが、よもやあんな手段で対抗するとは・・・。何のための道路なのか全く理解に苦しむ連中である。

 その判決の中に「12時間での交通量が4万台以上の域内にある全ての道路が規制の対象になり、対策を取らなくてはならない」というのがある。これにより被害に苦しむ人々がこれ以上増加しないことが期待されるのに、確かに対策は取られたが、これでは我々が悪者になってしまう。現に判決の見直しを求める訴訟の準備がされていると聞き及ぶ。

 急速に寂れていく我々の域内、それを見ている他の団体は訴状の取り下げに動いているとも聞く。マスコミも当初は呆れていたが、何故か我々に矛先を向けてきた。相手側が何らかの処置をとったに違いないが、不正の証拠はなにもない。何とかしなくては、このままでは逆戻り、いや更なる悲劇が引き起こされるに違いない。


 相手が行った対策、それは「12時間での交通量が4万台以上の域内にある全ての道路を無くしてしまう事」であった。我々が住む域内で活動する自動車をナンバーにより強制的に制限し、また12時間での交通量が4万台に達する道路に対し、その区間の信号を全て赤にしてしまう等の諸施策である。その実現のためNシステムの拡充が図られ、ETCの搭載が義務づけられと、我々への監視体制の強化をなされたのである。判決を盾に何ということ・・・。

http://www.hatena.ne.jp/1069041582