ユーエスオー - 亜斗のお祭り

大宝律令や太閤検地の例を出すまでもなく、工業化・商業化され、又情報化された社会は、標準化がなされるものである。単位はSI単位系で統一され、これに基づき様々な規格・手順が国際標準化機構(International Organization for Standardization, ISO)で合意され定められている。その際に各国で個別に定義されてきたもの・・・JISやANSI,DN,...等はISOと整合性が取れるように改編されることになっている。

しかしながらというか当然のことと言うべきか、これに反旗を翻す勢力も存在する。その最大勢力は、未だにインチやマイル、オンスにポンド、ガロンやファレンハイト(華氏)等を使用している。日常レベルは無論のこと、学術論文ベースでも出てくる場合も珍しくはない。

かの勢力の言い分では、「ISOやらSIはブドウの国の陰謀で我が権勢を弱めるため手段にしか過ぎない」のだとか。ブドウの国の方はといえば、かの勢力の旧宗主国の蛮行、薔薇の恨みを忘れてはおらず・・・、国際世論を味方にして「決議に従え」と老獪な手管を見せつけたりもする。まぁ、表だってやりあわないのが大人の国ということなのだろうか。

しかし、かの勢力でも標準規格の必要性・有用性を否定している訳ではない。ISOに対抗して「絶対標準化機構(Uni Standard Organization, USO)」を立ち上げ・・・某国の略号に似ているかもだが偶然である・・・、日夜啓蒙活動・実力行使に励んでいる。このユーエスオー規格を採用すれば双子の赤字も何のその、大量破壊兵器も存在しないし、領土問題も即解決、神は人を創り賜うし、太陽は地球の周りをビュンビュン回る。審判は誤審しないし、騒音悪臭は無論のこと花粉症や悪霊も速やかに退散する・・・すべては「如何に定義するか」なのである。

そんな馬鹿なとアンチユーエスオーを表明、排斥活動をすれば、それはそれ、世界秩序を乱し絶対標準に逆らう輩として断固対処できるのも、かの勢力ならではである。・・・世界は統合されるのか。

しかしこの戦略にも弱点がある。それは未だに絶対標準化機構が１つの基準「ＵＳＯ−８００」しか制定できていないことである。絶対標準は唯一ひとつ、でもこれだけで網羅できるほど世界は単純でもない。

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