過ぎたるは尚及ばざるが如し、鰯の頭も信心から、それとも・・・

溶存酸素3000%とは如何なる状態なのでしょう。私の持ちうる科学知識を総動員して思考してみました。
パーセントは何かに対する何かを表す無次元項なので、例えば溶媒1に対して酸素30が溶けている状態と考えてもよいです。

質量とすると、水1gに対して酸素30g・・・これを実現するには液体酸素温度(90K)以下にして固溶体にするか、それから極端に減圧して液体状態にするかしかないと思われます。そのような物質を体内の取り込めば・・・、生命はそのような状態を体験したことがないのでどうなることやら、まぁ体験するのも難しいかと思います。

容積とすると、水1ml当たり酸素30mlになります。これだと質量よりは可能性がありそえうに見えますが、実は水1gに対して酸素43gに相当するので、条件は更に厳しくなります(酸素密度(0℃) 1.429g/ml とすると)。まぁ、減圧下や高温にすると気体の体積は著しく膨張しますので可能な条件も見つかるかもしれません。でも、そんな状態に生命を晒すのは心が痛みます。細菌類の一部は生き残るかもしれませんが、果たして人類に耐えられるのでしょうか。

では、化学お得意のモルだと、水1mol当たり酸素30molでは・・・、水1gに対して酸素53g・・・、更に無茶になってしまいます。


・・・、検索の基本 google によると、溶存酸素量150mg/L = 3000 %・・・溶存酸素が通常の水道水の5〜8mg/Lの30倍 とあります。

・・・、溶存酸素3000%とは・・・、水道水の溶存酸素量に対して3000%・・・、省略しすぎです。パーセント表記する意味がわかりません。まぁ、タウリン1gとは言わない理由と同じなのでしょう。広告業界の方、ご苦労様なのです。

なにやら「ナノテクノロジーなど最先端技術を駆使し、酸素分子を水溶液中に固定した」とあります。クラウンエーテルでも使ったか、サッカーボールか・・・いろんな包摂化合物が考えられますが、そんなものは厚生省が許しても・・・。

では・・・、他のページを見てみると、多分炭酸水と同じ、高圧で閉じこめているのだと思いました。「ナノテクノロジーなど最先端技術」なので、少し前に流行った超臨界状態でも使っているのでしょうか。この状態ですと、気液が区別できないので溶けやすそうです。でも、それだけです。

生命維持に欠かせない酸素ですが、スポーツ医学の分野などでは活性酸素が体を錆びさせる(これもいろいろ問題のある表記かな^^;;)と言われてます。本当のところ、効用はどうなのでしょう。


http://www.hatena.ne.jp/1108385313